旧作ミステリ

赤川次郎『三毛猫ホームズの怪談』&『騎士道』

だいぶ前に読み終えていたんですが、レポが遅くなりました。『怪談』がシリーズ3作目(1980年)、『騎士道』は8作目(1983年)ですね。三毛猫ホームズの怪談 (角川文庫 (5784))作者: 赤川次郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1984/07/01メディア: 文庫 ク…

赤川次郎『三毛猫ホームズの追跡』

三毛猫ホームズの追跡 (角川文庫)作者: 赤川次郎出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 1985/10/16メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見るリハビリ第二弾、シリーズ第2作の『追跡』です。初出は1979年。 前作で心に傷を負った晴美の就職…

赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』

2年ぶりの更新です。その間、ほとんどミステリを読んでいません。一体何をしていたのか・・・生活環境はあんまり変わっていませんが、ミステリへの情熱はやはりまだ薄いようです。リハビリのために、原典回帰をしてみようと思いました。三毛猫ホームズの推理…

横溝正史『女王蜂』&『夜歩く』

女王蜂 (角川文庫) 著者:横溝正史 出版:角川文庫 1972年(初出1951/52年) 類まれな絶世の美女、大道寺智子は亡き母の遺言により、月琴島から東京にいる父の元に引き取られることになる。祖母や家庭教師とともに修善寺までやってきた智子らだが、そこで待…

有栖川有栖『月光ゲーム』『孤島パズル』

全開予告したとおり、『月光ゲーム』と『孤島パズル』を読みましたので、ようやく感想アップです。 >感想ページ

西澤保彦『麦酒の家の冒険』

麦酒の家の冒険 著者:西澤保彦 出版:講談社文庫 2000年(講談社ノベルス 1996年) 夏の終わり、高原に出かけたタックら四人組はその帰り道、山の中の迂回路でガス欠のために立ち往生してしまう。仕方なく、近くにあるという民家に救いを求めてさまよう4人…

西澤保彦『人格転移の殺人』

人格転移の殺人 著者:西澤保彦 出版:講談社文庫 2000年(講談社ノベルス 1996年) アメリカのとあるショッピングモールにひっそりとたたずむ商売気の薄いファストフード店に入った苫江利夫は、突然の大地震に見舞われ、店にいた6人の男女とともに、なぜか…

まとめて

時を巡る肖像 著者:柄刀一 出版:実業之日本社 2006年11月 ピカソの空白 『金蓉』の前の二人 遺影、『デルフトの眺望』 モネの赤い睡蓮 デューラーの瞳 時を巡る肖像 物事の実装を視覚的に捉え描く「天眼」の持ち主である隻眼の巨匠、冷泉朋明。冷泉の絵画…

都筑道夫『まだ死んでいる』

まだ死んでいる 著者:都筑道夫 出版:光文社文庫 1988年 空き室になっていたメゾン多摩由良509号室で、死体が見つかった。あわてて警備員が駆けつけると、その間に死体は消えていた。しかし今度は地下の駐車場で死体の目撃情報が入るが、今度も死体は消えた…

中町信『散歩する死者』

散歩する死者 著者:中町信 出版:徳間文庫 1989年(徳間書店 1982年) サスペンス作品で新人賞を取り、一時期時代の寵児となったミステリ作家、柳生照彦。しかしスランプに陥って鳴かず飛ばずの日々が続いていた。そんな柳生が出版社の編集者・花積明日子を…

都筑道夫『朱漆の壁に血がしたたる』

朱漆の壁に血がしたたる 著者:都筑道夫 出版:光文社文庫 2002年(角川文庫 1980年) 石川県の山村で30年前に発生した奇怪な未解決殺人事件について調査してほしいという推理作家の依頼を受けて、現地で聞き込みを行っていた片山直次郎だが、直次郎が取材し…

都筑道夫『最長不倒距離』

最長不倒距離 著者:都筑道夫 出版:光文社文庫 2000年(角川書店 1980年) 幽霊専門の探偵を看板にしている物部太郎のもとに、スキー場の温泉宿から、以前よく出ていた名物の幽霊が最近ぱったり出なくなった、何とかしてほしいという依頼が舞い込んだ。もの…

鮎川哲也『戌神はなにを見たか』

戌神はなにを見たか 著者:鮎川哲也 出版:光文社文庫 2001年(講談社 1976年) 東京・稲城市で高名な写真家・小日向大輔の死体が発見された。現場には外国人の横顔が刻印された装飾品のようなもの、そして被害者の消化物から特徴的な瓦煎餅の欠片が発見され…

倉知淳『ほうかご探偵隊』

ほうかご探偵隊 著者:倉知淳 出版:講談社 2004年 僕たちの5年3組で立て続けに事件が起こった。棟方くんが授業で描いた絵が盗まれ、神宮寺くんの作った猫の募金箱(空)が盗まれ、成見沢さんが飼育していたニワトリが行方不明になり、そして今日、僕のソプ…

辻真先『アリスの国の殺人』

アリスの国の殺人 著者:辻真先 出版:大和書房 1981年 夢の中で、綿畑克二はアリスと結婚式を挙げていました。上段に控えるのはトランプの女王、女王が杖で三月兎を殴ります。そう、ここは克二が愛する『不思議の国のアリス』の世界。しかし神父は漫画から…

貫井徳郎『プリズム』

プリズム 著者:貫井徳郎 出版:創元推理文庫 2003年(実業之日本社 1999年) 小学校の女教師、山浦美津子がひとり暮らしの自室で死んでいるのが発見された。床に転がっていた重いアンティーク時計によるもので、事故の線も疑われたが、部屋の窓がガラス切り…

鮎川&貫井

今回は2本立て。今月は旧刊本ばっかりですが、これは貧乏のせいです。 朱の絶筆 著者:鮎川哲也 出版:講談社文庫 1994年(ノン・ノベル 1979年) 傲岸不遜だが出版業界が彼に依存するほどの超人気作家、篠崎豪輔。彼が精力的な執筆を続ける軽井沢の豪奢な別…

鮎川哲也『りら荘事件』

りら荘事件 著者:鮎川哲也 出版:講談社文庫 1992年(光風社 1958年) 富豪が残した秩父の山荘「りら荘」に、夏休みを利用して芸大生7人が保養に訪れた。しかしそのときから、次々と発生する連続殺人事件の幕が上がったのだった。その日、山荘近辺で転落死…

折原一『天井裏の散歩者』

天井裏の散歩者――幸福荘殺人日記 著者:折原一 出版:角川文庫 1993年 推理作家志望の「私」は、大望を抱いてこの「幸福荘」にやって来た。この「幸福荘」には、日本推理小説界の重鎮、小宮山泰三が住んでいて、彼を慕う大勢の作家の卵たちが居住していると…

鮎川哲也『準急ながら』

準急ながら 著者:鮎川哲也 出版:光文社文庫 2001年(ポケット文春 1966年) 16年前、北海道の月寒で瀕死の重傷を負った女性を助けた海里昭子は、その美談について雑誌の取材を受けたが、掲載する際には名前も現住所も隠してほしいという前提をつけた。彼女…

鮎川哲也『黒いトランク』

黒いトランク 著者:鮎川哲也 出版:光文社文庫 2002年(講談社 1956年) 1949年12月10日、東京は汐留駅(新橋駅)に保管されていた荷物から異臭が漂い、不審に思った駅員が警察を呼んでトランクをあけると、中から男の腐乱死体が現れた。捜査員は死体入りト…

鮎川哲也『人それを情死と呼ぶ』

人それを情死と呼ぶ 著者:鮎川哲也 出版:光文社文庫 2001年(初出 東都書房 1961年) A省の汚職事件の渦中にある貝沼産業の販売部長だった遼吉が、まさに司直の手が会社に及ぼうとしたとき、失踪した。良吉の妻照子は、当初汚職事件をめぐるトラブルに夫…

鮎川哲也『ペトロフ事件』

ペトロフ事件 著者:鮎川哲也 出版:光文社文庫 2001年(初出「別冊宝石」1950年) 大連郊外の夏家河子で、ロシア人富豪イワン・ペトロフが射殺される事件が起こった。彼の莫大な遺産を受け取る3人の親類が容疑者と目された。しかし甥のアントンは犯行推定時…

鮎川哲也『下り〝はつかり〟』

下り〝はつかり〟 鮎川哲也傑作短編集II 著者:鮎川哲也 編者:北村薫 出版:創元推理文庫 1999年 収録作品 地虫 赤い密室 碑文谷事件 達也が嗤う 絵のない絵本 誰の屍体か 他殺にしてくれ 金魚の寝言 暗い河 下り〝はつかり〟 死が二人を別つまで 文句なし…

鮎川哲也『五つの時計』

五つの時計 鮎川哲也短編傑作選Ⅰ 著者:鮎川哲也 編者:北村薫 出版:創元推理文庫 1999年 収録作 五つの時計 白い密室 早春に死す 愛に朽ちなん 道化師の檻 薔薇荘殺人事件 二ノ宮心中 悪魔はここに 不完全犯罪 急行出雲 鮎川哲也強化月間開始。何冊か持っ…

我孫子武丸『メビウスの殺人』

メビウスの殺人 著者:我孫子武丸 出版:講談社文庫 1993年(講談社ノベルス 1990年) 半年に渡って首都東京を襲った連続殺人事件の始まりは、鈍器で頭を殴られた男の死体だった。ポケットには「2−2」とだけ書かれたメモが。2週間後、老人の絞殺死体にも…

道尾秀介『背の目』

背の目 著者:道尾秀介 出版:幻冬舎ノベルス 2006年1月(幻冬舎 2005年1月) 新進ホラー作家の道尾は、骨休めのために鄙びた山村の白峠村を訪れた。白峠村では、先ごろ何人もの子どもが行方不明になる事件があり、しかもその犯人は天狗だと噂されているらし…

有栖川有栖『海のある奈良に死す』

著者:有栖川有栖 出版:角川文庫 1998年(双葉社 1995年) ミステリ作家の有栖川有栖は、完成した著書を受け取るために東京の出版社に出向いていた。そこで同業の赤星楽と再会する。赤星はこれから取材旅行のために「海のある奈良」へ行ってくると言い残し…

有栖川有栖『ダリの繭』

ダリの繭 著者:有栖川有栖 出版:角川文庫 1993年 ダリを偏愛し、彼の風貌を模したダリ髭をトレードマークとしていた大手宝石メーカー社長、堂条秀一が別荘で殺害された。発見されたとき、彼の死体は近代的な心身安定装置、フロートカプセルの中に横たえら…

道尾秀介&有栖川有栖(古本)

ブラジル蝶の謎 著者:有栖川有栖 出版:講談社文庫 1999年(講談社ノベルス 1996年) 収録作品 ブラジル蝶の謎 妄想日記 彼か彼女か 鍵 人喰いの滝 蝶々がはばたく 向日葵の咲かない夏 著者:道尾秀介 出版:新潮社 夏休みに入る前日の終業式の日、僕は、学…