アガサ・クリスティー『ナイルに死す』

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

イギリスでも有数の財産家で美貌の女主人リネットは、親友のジャクリーンの婚約者サイモン・ドイルを奪って、彼と結婚した。ハネムーンのために訪問したエジプトまで、ジャクリーンは二人を執拗に付回すという嫌がらせを行っていた。ジャクリーンの胸には小さなピストル。ナイル河を周遊する観光船「カルナク号」で、ついに事件は起きた。リネットが銃殺されたのだ。しかし最も疑わしき容疑者であるはずのジャクリーンはそのとき鎮静剤を打たれて昏睡しており、犯行は不可能。はたして誰が、何のために犯行を行ったのか? 「カルナク号」に乗り合わせたエルキュール・ポアロがこの謎に立ち向かう。

ナイル殺人事件」というタイトルで映画になっていて、よくレンタル屋などでも見かけます。そのうち見てみようかな。
これまでに読んだクリスティー作品の中で一番長い作品ですね。ちょっと読むのに時間がかかってしまったけど、それは作品がつまらなかったのではなく私に時間がなかっただけです。相変わらずキャラクター性格付けが絶妙で、1930年代という空気を感じることができました。そして異国情緒たっぷりのエジプトという舞台。雰囲気がよかったですね。
ミステリとしても堅実なロジックで意外な犯人を指摘する正統派の本格です。やっぱりこの時期のクリスティーはいいですね。
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