全日本吹奏楽コンクール2006・一般編1
久しぶりの吹奏楽エントリです。
全国大会一般の部のCD。貧乏生活ゆえ購入を我慢していたのですが、やっと聴くことができたので。
- 大津シンフォニックバンド (5)ウインドオーケストラのためのディテュランボス(高昌帥)――銀
- 松陽OB吹奏楽団「緑」 (1)バレエ音楽「白鳥の湖」より(チャイコフスキー)――銅
- 土気シビックウインドオーケストラ (5)組曲「惑星」より木星(グスタフ・ホルスト)――金
- アンサンブルリベルテ吹 (5)鳳凰が舞う(真島俊夫)――金
- J.S.B.吹 (3)交響組曲第1番より(天野正道)――銅
- 百萬石ウインドオーケストラ (3)「スペイン狂詩曲」より祭り(モーリス・ラヴェル)――銅
- 大曲吹奏楽団 (3)ゴシック(木下牧子)――金
- 浜松交響吹奏楽団 (5)交響組曲「ガイア」第2楽章(天野正道)――銀
いわずもがなですが、課題曲は金賞団体のみ収録。
だみ声のオヤジがフライングブラボーを連発するおかげで、せっかくの素晴らしい演奏が台無しになるケースが目立ったのが非常に残念。大人の部なんだから、観客も大人になりなさいと。素晴らしい演奏に出会ったときは、まず拍手、そしてブラボーの順で演奏者を讃えることをお勧めします。
OSBの「ディテュランボス」は相変わらず熱い演奏でしたが、細かい動きが複雑に入り組むところでは未整理な印象。テュッティの一体感が売りのOSBにしてはまとまりが今ひとつだったような。楽曲のせいもあるのでしょうか。
緑の白鳥はもうちょっと何とかならんかったものか…。九州大会ではもっと緻密な演奏をしていたと思うんですが。音色、サウンド、フレーズ、曲の解釈などあらゆる意味で他に見劣り。今後の奮起に期待。
2005年は銀賞で、今回返り咲いた土気シビックの演奏は、やはりどこか厚ぼったくて聴いていて重い印象。サウンドにも切れがないと思いました。超有名曲の木星をやるんだったら、どこか突き抜けたものが欲しいですね。生演奏だと印象も違うのでしょう。
昨年も抜群の演奏を披露したアンサンブルリベルテ。木管の明るいサウンドが素晴らしい。「鳳凰が舞う」は、「三つのジャポニスム」の続編のような感じで新鮮さはありませんが、演奏は良かったです。金管の難しいフレーズでミスが連発したのは、リベルテらしからぬか。
九州大会でも今ひとつ印象の薄かったJ.S.B.ですが、全国でもやはり印象薄い。天野正道の交響組曲の中でも群を抜く地味な曲でしょうか。
邦人オリジナルの全国初演曲が続く中で、百萬石のスペイン狂詩曲は一服の清涼剤ですね。演奏もフレーズ感があってよかったです。
大曲吹奏楽団は、金賞団体の中では個人的に一番好きな演奏。課題曲と自由曲が同じ作曲家ということで、「パルセイション」と「ゴシック」を続けて聴くと木下ワールドを一体のものとして聴くことができて、課題曲にも新しい魅力が見えるようです。演奏は、大曲にしてはオーソドックスな感じで好感度大。「ゴシック」の後半からのワルツが、ドロドロとした重苦しい感じが出ていて非常に良かったです。プロコフィエフの「シンデレラ」のワルツとか、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」を彷彿とさせました。
浜響は2年連続の「ガイア」。今回の章題も凄いですが、2005年の1・3楽章のつぎはぎカットに比べると、楽曲の一貫性があって良いと思いました。特に冒頭に演奏されるグレゴリオ聖歌風の主題が断片的に優しく演奏される部分は、破壊的なフレーズと交互に登場するだけにはかなさがいっそう強調されて、心に残るものがありました。
後半はまた後日。