2005年度の課題曲について
以前出身大学の後輩に聴かせてもらって、一応一通りは聞いていたのですが、それからは聴く機会がなかったのでほとんど忘れておりました。(ちなみにきたろーは現在楽団には入っておりません。聴く専門です)
で、なにわ《オーケストラル》ウィンズ2005(通常版)についていたボーナス・トラックを何回かじっくり聴いた感想。
- 課題曲I パクス・ロマーナ (松尾善雄)
松尾善雄のマーチにしては珍しい、骨太で乱れのないマーチ。いつもの「松尾節」がほとんど聴かれないのが残念ですが、これはこれでかっこいい。「平和への行列」系統か。ということは金管が飛び抜けすぎてバランスを壊さないようにするのが演奏のポイントではないでしょうか。
- 課題曲II マーチ「春風」 (南俊明)
正統派のコンサート・マーチ。メロディー、トリオ、コーダの構成が本当に分かりやすく、奇抜なところはどこにもないけれども演奏しやすい、聴きやすい。「マリーン・シティ」「K点を超えて」などの系統。トロンボーンのオブリガードはおいしいけれど、吹き過ぎないように注意(笑)
- 課題曲III ストリート・パフォーマーズ・マーチ (高橋宏樹)
いろいろなギミックが隠された面白いマーチ。「ゆかいな仲間の行進曲」「すてきな日々」タイプか。《なにわ》の演奏は安全運転でしたが、もっとテンポ設定を工夫すると凄く演奏効果が高まるかと。学生さんはこういうの好きそうだけど、中学生には難しいね。
昔同じタイトルの課題曲があったような・・・? それはともかく、メロディーのつなぎやコード進行やコーダの造り方が不自然で、アナリーゼするたびに先生が悩みそうな曲。トランペットのメロディーとか凄く吹きづらそう。選ばぬが吉か。
- 課題曲V リベラメンテ (出塚健博)
ここ数年続いている大人向け課題曲の中では最も良い出来の曲ではないでしょうか。《なにわ》の演奏は適当なのでちょっと参考になりませんが、実力ある大職一般バンドならばすばらしい音楽を作り上げるのではないかと思います。構成さえつかめばアナリーゼも簡単そうだし、あとは技術の問題で、悩むところは少ない。一押し。
きたろーの好みはV、II、I、IIIの順番かな。コンクールで聴くのが楽しみになってきました。