土気シビックウインドオーケストラ・サマーコンサート

 地元土気で行われた土気CWOの演奏会に行ってきました。土気シビックといえばコンクール全国大会常連の有名吹奏楽団ですが、ここ2年はコンクールに出場していないので、どうなっているのか気になってました。確か一般の人数制限に反対で出場しない、ということだったのではないかと聞いたことがあります。何にしてもあのとろけるようなサウンドは忘れられませんよね。
 で、その土気シビックが地元土気で演奏会をするというので、今は近くにいるので行ってきました。プログラムは以下のとおり。

土気シビックウインドオーケストラ サマーコンサート
2010年9月5日(日) 於:あすみが丘プラザ
第1部

  1. 行進曲「威風堂々」第1番(E・エルガー
  2. 青春の輝き(R・カーペンター)
  3. 歌劇「ローエングリン」より エルザの大聖堂への行列(R・ワーグナー
  4. 祝典のための音楽(F・スパーク)

第2部

  1. サンバ・エキスプレス(真島俊夫
  2. 口笛吹いて働こう<パート紹介>(L・モーレイ/F・チャーチル
  3. サザンオールスターズ・メドレー(桑田圭祐/杉本幸一編)
  4. テキーラ(C・リオ)
  5. 手紙〜拝啓 十五の君へ<合唱>

アンコール

  1. ふるさと
  2. 星条旗よ永遠なれ(J・P・スーザ)

 第1部の指揮は小松拓人さん。小松さんの指揮はシンプルで伝わりやすそうですね。時折加養さんのような「ピクッ」とした棒が見られます。「威風堂々」からとにかく金管セクションが素晴らしい。トランペットの音色が伸びやかですね。「青春の輝き」はサックス・ソロ。美しかったです。エルザはもう、何というか言葉の出ない感動的な演奏でした。フルート・ソリも良かったですが、終盤のテュッティでは会場中に荘厳なサウンドが響き渡りました。会場は体育館なので、コンサートホールのように響くわけではなくデッドなんですが、それでもこれだけ美しい響きに満たされるのですから、いかに元から響きを大切にしているかが分かります。「祝典のための音楽」、第1楽章のトロンボーンが超絶技巧をしっかり吹きこなしているのが印象的でした。
 第2部の指揮はおなじみ加養浩幸さん。ポップスの指揮でも加養さんの大胆かつ繊細な棒は変わりないですね。「サンバ・エキスプレス」は真島さん編曲の「宝島」っぽい難しそうなソリが印象的ですね。続いてパート紹介。ファミリー・コンサートらしく各楽器の特徴を「口笛吹いて働こう」のアンサンブルと共に分かりやすく紹介していきます。中低音パートが素晴らしく上手でした。「サザン・メドレー」は「TSUNAMI」の絶品のサウンドに感動、「勝手にシンドバット」の強烈なホルンの音色に目が離せませんでした。
 ここからは地元の土気南中学校と土気大椎中学校との生徒さんとの合同演奏。「テキーラ」はノリノリ、「手紙」は生徒さんと団員の合唱で、バラエティ豊かでした。おそらく普段部員も少なく、これだけの大人数で、そして日本を代表する実力派バンドの奏者と一緒に演奏できて、中学生の皆さんにとって素晴らしい経験になったのではないかと思います。うらやましいですね。
 アンコールは唱歌の「ふるさと」を会場皆で合唱。これは感動的でした。私も久しぶりに歌って気持ちよかったです。伴奏、というか演奏のラストがこの日一番のサウンドで、そのテュッティの一音で心が震えるほどでした。最後に「星条旗よ永遠なれ」のポップスバージョン。私も演奏したことありますが、これ結構難しい編曲ですよね。中学生もよくついていっていて、上手でした。大いに盛り上がり、演奏会を締めくくりました。
 聞いていて思ったのが、全国大会レベル、とは言わないまでもこのまま地区大会に出場しても金賞を取ってしまうであろう、極めて高いレベルの演奏が維持されていたことです。このメンバーで音楽ができる喜びが続いているからこそ、コンクールには出ないけど、これだけの演奏ができるのだと思います。そして地域密着型の演奏会の楽しさを満喫できました。会場が狭く、座席は足りずに狭い思いもしたのですが、地域の老若男女問わず全ての聴衆が演奏会を楽しんでいました。一般バンドはかくあるべし、と感服です。素晴らしいひと時でした。