2006-01-01から1年間の記事一覧

鳥飼否宇『樹霊』&麻見和史『ヴェサリウスの柩』

樹霊 著者:鳥飼否宇 出版:東京創元社 2006年7月 植物写真家の猫田夏海は、北海道の巨木を撮影する旅行の最中、古冠村の巨大な老ミズナラが地すべりのために移動して、それでも倒れずにしっかりと立っているという椿事があったことを聞き及び、好奇心の赴く…

竹本健治『ウロボロスの純正音律』

ウロボロスの純正音律 著者:竹本健治 出版:講談社 2006年8月 ミステリ作家、竹本健治は黒っぽいコートを着た編集者、南雲一範からの依頼で、初めて書き下ろしの漫画を描くことになった。いつか漫画家になることを夢見ていた竹本は、一も二もなく依頼を受け…

「きたろーの本格ミステリ雑感」

いつのまにか20000ヒットに達していました。最近忙しくて本をなかなか読めないですが、ミステリを読んだら必ず感想を書くということで、細々と続けていこうと思います。 今後ともよろしくお願いします。

森谷明子『七姫幻想』

七姫幻想 著者:森谷明子 出版:双葉社 2006年2月 大后の妹で小高い丘の上に館を構え、池に棲む使い神とともにひっそりと機を織る乙女、衣通姫(そとおりひめ)。彼女を見初めた大王は、体の具合が悪いにもかかわらず足しげく館に通うようになるが、ある朝、…

教育基本法改悪問題

成城トランスカレッジさんのところに掲載されていた、安倍晋三のメールがしょうもなかった。 国会では教育基本法改正案の審議が行われています。今なぜ、教育基本法を改正する必要があるのか、私の考えを改めてご説明したいと思います。 現在の教育基本法が…

安眠練炭氏の「きたろー氏の(中略)に対する反応」に対する再反応

私は昨日、安眠練炭(id:trivial)さんの最初の批判における「貧困」という根拠がよくわからない、自分はこういった意味で「そうとしか読み取れない」と書いたわけだが、という反応をしたところ、練炭さんは批判の根拠について詳細に書いてくださった。 とい…

安眠練炭氏の『ボトルネック』拙感想に対する感想に対する反応

なんだか訳の分からないタイトルになってしまった。まあ過不足ないのでこれでいいでしょう。 さて、安眠練炭さん(id:trivial)が私の『ボトルネック』の感想に批判を加えてくださった。かなりきついことも書かれているので、一応反応しておかないと寝覚めが悪…

米澤穂信『ボトルネック』

ボトルネック 著者:米澤穂信 出版:新潮社 2006年7月 高校1年生のぼく――嵯峨野リョウは、ようやく気持ちの整理がついて、2年前に恋人の諏訪ノゾミが転落死した東尋坊の崖上に来た。ぼくの家族はバラバラだ。父と母はそれぞれ恋人を作って家庭内では対立して…

天城一『宿命は待つことができる』

宿命は待つことができる 著者:天城一 編者:日下三蔵 出版:日本評論社 2006年7月 終戦後の焼け跡も生々しいころ、安ホテルでホテルの所有者梶川重作が刺殺された。現場には意識を失った女が倒れており、他に誰もいない。ホテルを出入りするためには唯一の…

島田荘司『UFO大通り』

UFO大通り 著者:島田荘司 出版:講談社 2006年7月 退職した職場の元上司との間にトラブルを抱えた男が、密室の中で、フルフェイスをかぶって白い布で体をぐるぐる巻きにし、首にマフラーをした異様な状態で殺害された。現場近くに住む老婆は、街路をUFO…

芦辺拓『千一夜の館の殺人』

千一夜の館の殺人 著者:芦辺拓 出版:光文社カッパ・ノベルス 2006年7月 森江春策の助手新島ともかは、あるとき久しぶりに再会した従兄妹の是藤紗世子の身に危険が迫っていることを察知し、森江の元を飛び出して久珠場家に潜入捜査することを決意する。数理…

第54回全日本吹奏楽コンクール(大学・職場・一般の部)結果

何かと忙しくて更新をさぼっていたら、大職一の全国大会も終わってしまいましたよ。九州の人間にとってはいささか残念な結果に。 以下プログラム・結果・ミニコメ。 第54回全日本吹奏楽コンクール 大学の部 2006年10月28日 於:宇都宮市民会館 静岡大学 (5…

道尾秀介『シャドウ』

シャドウ 著者:道尾秀介 出版:東京創元社 2006年9月 母親が癌で死んでから、小学5年生の凰介の周りはだんだんとおかしくなった。沈んでいた凰介と父洋一郎だが、運動会のために久しぶりに学校に行くと、幼馴染の亜紀の様子がおかしかった。昨日電話で話し…

京極夏彦『邪魅の雫』

邪魅の雫 著者:京極夏彦 出版:講談社ノベルス 2006年9月 探偵・榎木津礼二郎のもとに舞い込んだ見合い話が、まだ会う前から次々と破談になっていく。探偵に黙って調査を開始した益田は、破談どころか彼女たちが行方不明になっていることを知って、何か邪悪…

第54回全日本吹奏楽コンクール結果(高校の部)

昨日行われた全国大会。もう各所で話題になっていますが、一応確認。 高等学校の部 前半 習志野高校 銀 福工大附属城東高校 金 長野高校 銀 北条高校 銅 明石南高校 銅 春日部共栄高校 金 明浄学院高校 銀 東海大高輪台高校 金 泉館山高校 銅 松陽高校 銀 埼…

二ノ宮知子『のだめカンタービレ 16巻』

のだめカンタービレ#16 著者:二ノ宮知子 出版:講談社コミックスKISS 今回の表紙はマリンバ。ていうかパーカッション2回目? マルレ・オケを千秋がねちっこく再生させる巻。Sオケを髣髴とさせるねちっこさ。ハルモニーについてのちょっといい話もあり、ま…

プレーオフ第2ステージのホークス打撃陣・・・

あやまれ! カズミにあやまれ!(AA略)

島田荘司『溺れる人魚』

溺れる人魚 著者:島田荘司 出版:原書房 2006年7月 溺れる人魚 人魚兵器 耳の光る児 海と毒薬 島田荘司、今年2冊目の新刊。実はもう一冊、『UFO大通り』が出ているのだった。凄いなあ。 「人魚」をキーワードに4作が収録されています。「耳の光る児」は人魚…

芦辺拓『探偵と怪人のいるホテル』

探偵と怪人のいるホテル 著者:芦辺拓 出版:有楽出版社 2006年9月 探偵と怪人のいるホテル 仮面と幻夢の踊る街角 少年と怪魔の駆ける遊園 異類五種 疫病草紙 黒死病観のホテル F男爵とE博士のための晩餐会 天幕と銀幕の見える場所 屋根裏の乱歩者 伽羅荘事…

全国大会プログラム(一般編)

大学・職場の部のプログラムを見て癒されてから一般の部を見ると、ぶっ飛びます。 第54回全日本吹奏楽コンクール 一般の部 2006年10月29日 於:宇都宮市民会館 大津シンフォニックバンド (5)Dithyrambos for Wind Orchestra(高昌帥) 松陽OB吹奏楽団「緑」 (1)…

全国大会プログラム(大学・職場編)

高校のプログラムを見て落胆したところで、大学のプログラムを見ると癒されます。 第54回全日本吹奏楽コンクール 大学の部 2006年10月28日 於:宇都宮市民会館 静岡大学 (5)リコイル(ジョセフ・シュワントナー) 福岡工業大学 (1)交響曲第1番「指輪物語…

全国大会のプログラム(高校編)

気がついたら支部大会の全ての日程が終了して、今年の吹奏楽コンクールも全国大会を待つのみとなりました。私は時間とお金の不足から見に行くことはできませんが、とりあえずプログラムを見て悦に浸るぐらいはできます。 今年の全国大会、さてどんなラインナ…

都筑道夫『朱漆の壁に血がしたたる』

朱漆の壁に血がしたたる 著者:都筑道夫 出版:光文社文庫 2002年(角川文庫 1980年) 石川県の山村で30年前に発生した奇怪な未解決殺人事件について調査してほしいという推理作家の依頼を受けて、現地で聞き込みを行っていた片山直次郎だが、直次郎が取材し…

都筑道夫『最長不倒距離』

最長不倒距離 著者:都筑道夫 出版:光文社文庫 2000年(角川書店 1980年) 幽霊専門の探偵を看板にしている物部太郎のもとに、スキー場の温泉宿から、以前よく出ていた名物の幽霊が最近ぱったり出なくなった、何とかしてほしいという依頼が舞い込んだ。もの…

いまさら「国歌斉唱強制は違憲」判決について

はてなブックマークなんか見てると、はてな住民の中にはこの判決を「当然のこと」と受け止めるリベラル層が多いようです。 ネット世界って国家主義的な保守ばっかりかと思ってたんですが、2ちゃんねるが特殊なのでしょうか。 東京都教育委員会は控訴する方針…

「3ない運動」に賛成

二階堂氏の例の文章がひと段落したようです。一応読みましたが、どうしようもない度がますますエスカレートしているので詳細にコメントする気力もありません。一言言いたいのは、本格ミステリはお前の私物じゃないということ。それ以外ではtaipeimonochrome…

三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』

凶鳥の如き忌むもの 著者:三津田信三 出版:講談社ノベルス 2006年9月 黒い巨大な禿鷹が舞う孤島・鳥坏島で、謎に包まれた祭祀「鳥人の儀」が十何年ぶりかに行われることになった。しかし過去に行われた「鳥人の儀」では、儀式を執り行う巫女をはじめ、参加…

『本格ミステリ・ベスト10』マイ・オール・ベスト投票開始!

なんと今年の『本ミス』は10周年企画で、これまでランクインした作品の中からベストを選ぶという、『このミス』も昔やった企画があるということです。 そして毎度おなじみネット投票でも同じ企画が行われます。 http://www.harashobo.co.jp/mystery/allbest.…

石持浅海『顔のない敵』

顔のない敵 著者:石持浅海 出版:光文社カッパ・ノベルス 2006年8月 収録作 地雷原突破 利口な地雷 顔のない敵 トラバサミ 銃声ではなく、音楽を 未来へ踏み出す足 暗い箱の中で 本格ミステリとして全体的に質が悪い、というのもあるんですが、どうも話の持…

二階堂黎人氏のあれ

最近、また(まだ)二階堂黎人が『容疑者X』について騒いでいるらしい、ということをid:kiseuさん(「日当たりのいいガレージ」)のところで見聞きしたのですが、もう彼の主張にはうんざりだしそんなに暇でもないのでスルーしてました。 しかし、id:kaienさ…