芦辺拓『探偵と怪人のいるホテル』
芦辺拓の非ミステリ短編集。
表題作、「仮面と幻夢の〜」「少年と怪魔の〜」は、『怪人対名探偵』でおなじみ花筐城太郎シリーズ。
「異類五種」は中国歴史もの。「疫病草子」は平安あたりを舞台にした日本歴史もの。どちらも芦辺拓の最初期の作品。
「黒死病館〜」「F男爵とE男爵〜」「天幕の銀幕の〜」は大阪もの。それぞれ社会派、歴史系、幻想系と趣向がぜんぜん違いますが。
「屋根裏の乱歩者」と「伽羅荘事件」はタイトルどおり両大御所のパスティーシュ。
芦辺拓という作家から本格ミステリ以外の特徴を出すとこんな短編集になりました、という感じ。正直ミステリではないので今ひとつ楽しめなかったのですが、芦辺ファンにはたまらない1冊なのではないでしょうか。
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