新刊ミステリ

島田荘司『リベルタスの寓話』他

読みためていた感想をアップ。リベルタスの寓話作者: 島田荘司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/06メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (48件) を見る人柱はミイラと出会う作者: 石持浅海出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05/01…

石崎幸二『首鳴き鬼の島』&山口芳宏『雲上都市の大冒険』

雲上都市の大冒険作者: 山口芳宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (29件) を見る首鳴き鬼の島 (ミステリ・フロンティア)作者: 石崎幸二出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/08メディア:…

米澤穂信『遠まわりする雛』

遠まわりする雛 著者:米澤穂信 出版:角川書店 2007年10月 千反田さんに呼び出されて生き雛祭りの手伝いをすることになったホータロー。本来は通例どおりのルートだったはずの生き雛行列が、当日の橋の工事によって変更されることになった。なぜ工事は実行…

有栖川有栖『女王国の城』

女王国の城 著者:有栖川有栖 出版:東京創元社 2007年9月 バブル花盛り、その時流に乗って急成長した宇宙人の降臨を待ちわびる新興宗教「人類協会」の聖地がある神倉村で、江神二郎が消息を絶ったことがわかった。そのことを知って神倉村に急行したモチ、信…

柄刀一『密室キングダム』

密室キングダム 著者:柄刀一 出版:光文社 2007年7月 「壇上のメフィスト」の異名を取る稀代の天才マジシャン、吝一郎。手先が麻痺するという病気を克服してついに復活ステージを迎えた彼は、大成功を収めたその日、観客の一部を自宅に招待して行なったエク…

古野まほろ『天帝のつかわせる御矢』

天帝のつかわせる御矢 著者:古野まほろ 出版:講談社ノベルス 2007年6月 西満州からの攻撃を受けて首都陥落の危機にある満州帝国。その混沌のきわみの中に精神に傷を受けて満州に滞在していた古野まほろもいた。彼は恩師の友人である二条警視正の計らいで、…

米澤穂信『インシテミル』

インシテミル 著者:米澤穂信 出版:文藝春秋 2007年8月 「年齢性別不問。一週間の短期バイト。ある人文科学的実験の被験者。拘束時間は24時間を1週間。時給1120百円」――誰もが何かの冗談か書き間違いだと思った時給11万2千円のアルバイト。様々な事情からバ…

歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』他

密室殺人ゲーム王手飛車取り 著者:歌野晶午 出版:講談社ノベルス 2007年1月 ネット上に集う5人のミステリ・マニアたち――「頭狂人」「044APD」「aXe」「ザンギャ君」「伴道善教授」。彼らのうち一人が推理ゲームの出題をして、おのおのが推理しあう。今回の…

山沢晴雄『離れた家』

離れた家 山沢晴雄傑作集 著者:山沢晴雄 編者:日下三蔵 出版:日本評論社 2007年6月 砧最初の事件 銀知恵の輪 死の黙劇 金知恵の輪 扉 神技 厄日 罠 宗歩忌 時計 離れた家 金融業者の馬場金造が殺害された。被害者の遺産や保険金を受け取る唯一の親族が容…

西澤保彦『収穫祭』

収穫祭 著者:西澤保彦 出版:幻冬舎 2007年7月 1982年8月12日、台風のために暴風雨に見舞われた首尾木村。村の中学生ブキ、カンチ、ゲンキの3人は、カンチの家の離れに集まって夜をすごしていたが、同級生の繭子の悲鳴を聞いて様子を見に行くと、繭子の家族…

西澤保彦『ソフトタッチ・オペレーション』

ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿 著者:西澤保彦 出版:講談社ノベルス 2006年11月 無為侵入 闇からの声 捕食 変奏曲<白い密室> ソフトタッチ・オペレーション 上地浩美♂は、馴染みの居酒屋で開店前に看板娘と飲んでいたところ、気が…

大倉崇裕『警官倶楽部』

警官倶楽部 著者:大倉崇裕 出版:ノンノベル 2007年2月 「警官倶楽部」――それは鑑識、盗聴、尾行、情報収集、射撃など、本職顔負けの技術を持った警官マニアたちが、警察の真似をして現場で捜査の真似事をする秘密組織だ。メンバーの森田と関谷は警官の制服…

三津田信三『首無の如き祟るもの』

首無の如き祟るもの 著者:三津田信三 出版:原書房 2007年5月 「淡首様」を祀る媛首山が中心にある媛首村。この村を支配する旧家、秘守家では、淡首様の祟りを恐れて、それを回避するための様々な儀式を跡継ぎに行わせていた。秘守家の本家、一守家には長寿…

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

赤朽葉家の伝説 著者:桜庭一樹 出版:東京創元社 2006年12月 鳥取の旧家、赤朽葉家は古くから製鉄業で財をなし、山の中腹に真っ赤なお屋敷を構えて街々を睥睨している。民俗学的には「サンカ」と呼ばれることになる山の民によって街に置き去りにされた幼子…

北山猛邦『少年検閲官』

少年検閲官 著者:北山猛邦 出版:東京創元社 2007年1月 大戦争と大洪水の後、世界的な検閲によって書物が失われてしまった世界。特に「ミステリ」は、人知を超えた犯罪の方法が記された危険な書物として真っ先に抹消されてしまった。海軍将校だった父から「…

島田荘司&高田崇史

犬坊里美の冒険 著者:島田荘司 出版:光文社カッパノベルス 2006年10月 司法試験に通り、司法研修生として倉敷の山田弁護士事務所に配属された犬坊里美だが、いきなり難事件が舞い込む。総社の神社境内にある離れの床下から突然死体が発見されたのだが、お…

まとめて

時を巡る肖像 著者:柄刀一 出版:実業之日本社 2006年11月 ピカソの空白 『金蓉』の前の二人 遺影、『デルフトの眺望』 モネの赤い睡蓮 デューラーの瞳 時を巡る肖像 物事の実装を視覚的に捉え描く「天眼」の持ち主である隻眼の巨匠、冷泉朋明。冷泉の絵画…

竹本健治『キララ、探偵す』

キララ、探偵す 著者:竹本健治 出版:文藝春秋 2007年1月 キララ、登場す キララ、豹変す キララ、緘黙す キララ、奮戦す 大学生の乙島侑平のもとに届けられたのは可憐な美少女メイドロボット、キララ。侑平は新開発されたアンドロメイドのモニターとしてキ…

古野まほろ『天帝のはしたなき果実』

天帝のはしたなき果実 著者:古野まほろ 出版:講談社ノベルス 2007年1月 県立勁草館高校吹奏楽部はこの夏、惜しいところで全国大会出場を逃した成長株。来るアンサンブルコンテストでは、フランス革命時代に作曲され、ずっと演奏されることがなかったという…

高田崇文『QED〜ventus〜 御霊将門』

QED〜ventus〜 御霊将門 著者:高田崇文 出版:講談社ノベルス 2006年10月 棚旗奈々と沙織の姉妹はタタルを誘って千鳥ヶ淵にお花見に出かけた。しかしタタルは花はもう見たとばかりに、靖国神社を皮切りにして、近辺の神社めぐりを始める。靖国神社に隣接…

島田荘司&西澤保彦

最後の一球 著者:島田荘司 出版:原書房 2006年11月 1993年、御手洗の事務所を一人の青年が訪問した。母親が何か悩みを持っていて遺書を書いていたという。結局御手洗と石岡は青年の郷里にやってきた。そこで青年の母親と面談した御手洗は、母親の深刻な悩…

山口雅也『ステーションの奥の奥』

ステーションの奥の奥 著者:山口雅也 出版:講談社 2006年11月 「将来の夢」を書く作文の宿題で、小学6年生の神野陽太は「吸血鬼になる」と書いて問題になり、学校のカウンセリングを受けることになってしまった。うちに居候している引きこもり気味の夜之介…

大倉崇裕『福家警部補の挨拶』

福家警部補の挨拶 著者:大倉崇裕 出版:東京創元社 2006年6月 最後の一冊 オッカムの剃刀 愛情のシナリオ 月の雫 世界の絵本の稀購本を集めた江波戸図書館の書庫で、現オーナーが古くなって崩れ落ちた本棚の下敷きになって死んでいるのが発見された。図書館…

鳥飼否宇『樹霊』&麻見和史『ヴェサリウスの柩』

樹霊 著者:鳥飼否宇 出版:東京創元社 2006年7月 植物写真家の猫田夏海は、北海道の巨木を撮影する旅行の最中、古冠村の巨大な老ミズナラが地すべりのために移動して、それでも倒れずにしっかりと立っているという椿事があったことを聞き及び、好奇心の赴く…

竹本健治『ウロボロスの純正音律』

ウロボロスの純正音律 著者:竹本健治 出版:講談社 2006年8月 ミステリ作家、竹本健治は黒っぽいコートを着た編集者、南雲一範からの依頼で、初めて書き下ろしの漫画を描くことになった。いつか漫画家になることを夢見ていた竹本は、一も二もなく依頼を受け…

森谷明子『七姫幻想』

七姫幻想 著者:森谷明子 出版:双葉社 2006年2月 大后の妹で小高い丘の上に館を構え、池に棲む使い神とともにひっそりと機を織る乙女、衣通姫(そとおりひめ)。彼女を見初めた大王は、体の具合が悪いにもかかわらず足しげく館に通うようになるが、ある朝、…

米澤穂信『ボトルネック』

ボトルネック 著者:米澤穂信 出版:新潮社 2006年7月 高校1年生のぼく――嵯峨野リョウは、ようやく気持ちの整理がついて、2年前に恋人の諏訪ノゾミが転落死した東尋坊の崖上に来た。ぼくの家族はバラバラだ。父と母はそれぞれ恋人を作って家庭内では対立して…

天城一『宿命は待つことができる』

宿命は待つことができる 著者:天城一 編者:日下三蔵 出版:日本評論社 2006年7月 終戦後の焼け跡も生々しいころ、安ホテルでホテルの所有者梶川重作が刺殺された。現場には意識を失った女が倒れており、他に誰もいない。ホテルを出入りするためには唯一の…

島田荘司『UFO大通り』

UFO大通り 著者:島田荘司 出版:講談社 2006年7月 退職した職場の元上司との間にトラブルを抱えた男が、密室の中で、フルフェイスをかぶって白い布で体をぐるぐる巻きにし、首にマフラーをした異様な状態で殺害された。現場近くに住む老婆は、街路をUFO…

芦辺拓『千一夜の館の殺人』

千一夜の館の殺人 著者:芦辺拓 出版:光文社カッパ・ノベルス 2006年7月 森江春策の助手新島ともかは、あるとき久しぶりに再会した従兄妹の是藤紗世子の身に危険が迫っていることを察知し、森江の元を飛び出して久珠場家に潜入捜査することを決意する。数理…