全国大会のプログラム(高校編)
気がついたら支部大会の全ての日程が終了して、今年の吹奏楽コンクールも全国大会を待つのみとなりました。私は時間とお金の不足から見に行くことはできませんが、とりあえずプログラムを見て悦に浸るぐらいはできます。
今年の全国大会、さてどんなラインナップなのでしょうか?
全日本吹奏楽コンクール 高等学校の部
2006年10月22日 於:普門館
前半の部
- 習志野高校 (2)バレエ音楽「くるみ割り人形」より(ピョートル・チャイコフスキー)
- 福工大城東高校 (3)エルフゲンの叫び(ジェフリー・ローレンス)
- 長野高校 (2)「スペイン狂詩曲」より祭り(モーリス・ラヴェル)
- 北条高校 (3)三つのジャポニスム(真島俊夫)
- 明石南高校 (3)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ)
- 春日部共栄高校 (1)科戸の鵲巣(中島愛生)
- 明星学院高校 (1)バレエ音楽「中国の不思議な役人」より(ベラ・バルトーク)
- 東海大第四高校 (1)「第六の幸福をもたらす宿」より(アーノルド)
- おかやま山陽高校 (1)「管弦楽のための協奏曲」より終曲(ベラ・バルトーク)
- 東海大高輪台高校 (1)バレエ音楽「ガイーヌ」より(アラム・ハチャトゥリアン)
- 泉館山高校 (3)歌劇「トスカ」ファンタジア(ジャコモ・プッチーニ)
- 松陽高校 (1)楽劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り(リヒャルト・シュトラウス)
- 埼玉栄高校 (1)歌劇「トゥーランドット」より(ジャコモ・プッチーニ)
- 秋田南高校 (3)「交響三章」より第3楽章(三善晃)
- 高岡商業高校 (1)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ)
後半の部
- 常総学院高校 (1)交響詩「ローマの噴水」より(オットリーノ・レスピーギ)
- 遠軽高校 (1)バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より(モーリス・ラヴェル)
- 愛工大名電高校 (1)ダンス・ムーヴメント(フィリップ・スパーク)
- 金沢市立工業高校 (1)歌劇「トゥーランドット」より(ジャコモ・プッチーニ)
- 柏高校 (1)喜歌劇「こうもり」セレクション(ヨハン・シュトラウス2世)
- 大阪桐蔭高校 (1)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ)
- 伊予高校 (1)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ)
- 岡山学芸館高校 (1)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ)
- 安城学園高校 (2)喜歌劇「天国と地獄」序曲(J・オッフェンバック)
- 明誠学院高校 (1)喜歌劇「微笑みの国」セレクション(フランツ・レハール)
- 片倉高校 (3)楽劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り(リヒャルト・シュトラウス)
- 狭山ヶ丘高校 (2)バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より(モーリス・ラヴェル)
- 福岡第一高校 (1)「管弦楽のための協奏曲」より終曲(ベラ・バルトーク)
- 磐城高校 (3)「交響曲」より(矢代秋雄)
いかん、まったく心ときめかないプログラムだ。
とりあえず注目どころを言えば、高校の部では珍しく初出場が3団体もあるってところでしょうか。特に激戦の東北と関西を勝ち上がった泉館山と大阪桐蔭には期待大ですね。
で、自由曲ですが、これはひどい。29団体中オリジナルがわずか4曲のみ! こんな数字は私が見る限り始めての事態です。オリジナルの名曲が減っているどころか、昨今はアメリカを筆頭に素晴らしい吹奏楽曲がたくさん発表されているってのに、日本の高校吹奏楽はなぜかくも保守的になってしまったんでしょうか?
まあオリジナルが演奏されなくとも、管弦楽曲の「埋もれた名作」を発掘するというのも吹奏楽編曲界ではここ10年以上のスタンダードだったんですが、今回はその点でも見るべきものは少なく、編曲作品での全国大会初演曲はゼロ! 要するに全てどこかの二番煎じというわけです。選ばれた管弦楽の名曲を見ると、非常に重複が多い。特に「ローマの祭り」が5団体と最多で、後半の3連発には聴衆もうんざりではないでしょうか。あと重複しているのは「ダフニスとクロエ」、バルトークのオケコン、「サロメ」、「トゥーランドット」・・・定番ばかりで、なんだかなあ、という感じ。
オリジナル曲からは2曲が全国初演になるので、まだ救われますが、とにかく今回は選曲面での失望が大きいです。高校の部のCDは買わないかも。
あ、一応このコメントはあくまで一聴衆としての個人的な意見です。高校の部は技術的にも情熱的にも見るべきところが多いし、先生と高校生たちの努力とその成果にはいつも感激します。全国大会での熱演を期待します。