桜庭一樹『少女には向かない職業』

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

下関沖合いの島に住む中学2年生、大西葵は、この年ふたり、人を殺した。最初の凶器はちょっとした悪意で、二人目の凶器はバトルアックス。夏休みに入るころ、葵は普段は目立たないクラスメート、宮乃下静香と話をするようになった。葵が義父から暴力を受けて憎んでいることを告白したら、静香は言った。用意するものは、すりこぎと菜種油です、と。

ライトノベル読者のみならず、ミステリ読者の仲にもファンを獲得しつつある桜庭一樹米澤穂信ほどストレートなミステリではないけれども、確かに随所に既存のミステリに対する意識が見え隠れします。ただ、ミステリはあくまで装飾だ、と考えても本作にはそれほどの感銘を受けませんでした。
理由をいろいろと考えてみたんですが、ひとつの見方として本作が「普通性を演出する田舎の事件」のミステリである、という点に着目して感想を書いてみました。
桜庭一樹、もう1冊ぐらい読んでみるかな。少し気になる作家だということは確かです。
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