噂の真相

昨日は一日中紀宮ご成婚の話をテレビでやっていたので、趣味でなくともその様子を一瞬でも見てしまわざるをえなかったのだが、いや、別に政治信条がどうのとかいう話ではなくて、ほら、人の結婚式ってなんだか気恥ずかしいよねってことです。
それはともかく、紀宮(今は黒田清子?)が着ていた白いドレス、あれは紀宮が熱烈に好きだという名作アニメ「ルパン3世 カリオストロの城」から、クラリスのドレスを模して特注で作らせたものだ、という噂を聞きました。そういわれると何度見てもコスプレげふんげふん、いや何というかそのようにしか見えないもので、ますます微笑ましいやら面映いやら気恥ずかしいやら、そんな微妙な気持ちになったのでした。
ていうか、この噂ほんとなのか?

解決編

本当だったようです。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051116k0000e040027000c.html
ご学友がテレビで明らかにしたって・・・別に隠す必要もないのかもしれないけど、面白いなあ。結婚式のレンタルドレスで流行るかもしれないなあ。そうなったら元ネタがクラリスだということを知らない人たちが結婚式でコスプレするわけで、凄いことになりそうです。
では旦那はルパンか。「おじさま」とか言うのかなあ。
・・・妄想が止まりませぬ。

盗作騒ぎ・その後

例の『誰のための綾織』、「はみだしっこ」の表現を借用した問題の続き。
原書房に掲載されていた以前の謝罪文はいつの間にか消滅していて、次のような編集部による文章が掲載されました。
http://www.harashobo.co.jp/tokusetsu/repo.htm原書房
賢明な判断だと思います。しかし飛鳥部氏自身は納得していない模様で、こんな文章を公開しています。
http://www.max.hi-ho.ne.jp/s3k1/a/
いつのまにか問題が広がってしまったことに対する戸惑いが率直に現れていますが、「専門家と相談」というのが気になります。法的手段に訴えるのでしょうか。もしかすると、下のような意見にそそのかされたのかもしれません。
【平成の表現狩り】検証サイト問題: 弁護士山口貴士大いに語る
著作権法上の立場から検証サイトを批判している(もしかすると違うのかもしれませんが、そのようにしか読めません)趣旨の文章で、飛鳥部氏の表現には著作権法上なんら問題はないし、まして検証サイトで批判した挙句に絶版に追い込むのは、表現の自由に対する侵害だ、ということです。
確かに法的にはそのとおりでしょう。もし法的手段に訴えて原書房に対して*1損害賠償なり絶版撤回なりを勝ち取ったとしたら、三原順ファンは「泣き寝入り」しなければならないと思います。しかしそれを成し遂げたからとしても、飛鳥部氏には何のメリットもないと思います。なぜなら著作物というのは作者だけのものではなく、読者のためのものだからです。読者が心を痛めた*2問題についていつまでもこだわって、自分の名誉に固執すれば、読者の信用は今度こそ完全に失墜します。そもそもが法律の問題ではないのです。この弁護士は実定法上の規定にこだわりすぎて、人間の心情や創作物の持つ表現の力といった、法律では測れないいわば自然的な領域を余りにも粗略に扱いすぎています。
三原ファンの心情は被害者としてのそれであり、加害者である飛鳥部氏は絶対に法的手段に訴えるべきではない。出版社は被害をこうむりますし、そうなるとおそらくどの出版社も今後飛鳥部氏に執筆を依頼しないでしょう。他の彼の作品も回収されるかもしれません。「信用」とはそういうものです。ミステリ・ファンは飛鳥部氏の作品が読めなくなり、残念に思うことでしょう。もちろん心無い仕打ちを受ける三原ファンはさらに悲しみます。
法的手段に訴えることによって、あるいは法的根拠を持って自己の正当性を主張し続けることによって利益を得るのは、自分の心のうちだけにある個人的名誉心のみです。こんな愚行は百害あって一理なしだときたろーは考えます。
要するに、自分で自分の傷口を広げてどうするんだ、という話でした。

*1:検証サイトの作成者を訴えるのは不可能である。なぜならそちらにも「表現の自由」が保障されているからだ。

*2:読者が心を痛めた度合いは「はみだしっ子」だからこそ大きかった。作品の特殊性も問題がここまで発展した原因であり、飛鳥部氏の見通しが甘かったとしか言いようがない。