東京創元社、熱烈プッシュ

6月末に刊行される北村薫『ニッポン硬貨の謎』を東京創元社はかつてないほどの熱意でプッシュしている(ように、きたろーには見えます)。
東京創元社|ニッポン硬貨の謎(北村薫)
まずこれは発売前の単行本の「解説」の全文。解説をまず公開するというのは珍しいです。しかも書いているのが「伝説の編集」戸川安宣だったりします。書いてある中身はマニアックすぎて、たぶんミステリマニアでないと意味不明です(笑)
http://www.tsogen.co.jp/np/oshirase.do
そしてこれ。北村薫が6月8日のNHK「課外授業 ようこそ先輩」に出演するそうです。時期的に言って『ニッポン硬貨の謎』の間接的な販促であることは間違いありません。というか、北村薫は「先輩」も何も、現役ばりばりの国語の先生なのであんまり「課外授業」な感じがしませんが。
東京創元社|ニッポン硬貨の謎(北村薫)
もうひとつ。単行本の紹介ですが、最後にとんでもないことが書いてあります。以下抜粋。

 6月下旬刊行の予定で進行中、いま暫くのお待ちを願います。『ニッポン硬貨の謎』の前に、エラリー・クイーン『シャム双子の謎』、ヴァン・ダイン『カブト虫殺人事件』の予習をしていただければ幸いです。真相に深く濃く言及し卓抜な論を展開する場面を、より楽しんでいただけることは間違いありません。

きたろーの場合、『シャム双生児』は既読だがほとんど内容を覚えていません。『カブト虫』はもはやヴァン・ダイン自体を読みたいとも思っていないので当然未読です。買って読めというのか・・・ヴァン・ダインを(しかも『カブト虫』を)・・・。ミステリ、ことに本格ミステリは伝統と格式を重んじ、「こう読め」といわれたら素直にそう読むのがルールであります。ええ読みますとも。読みにくい上に面白くないと評判の後期ヴァン・ダインを・・・!
それはともかく、ここまでプッシュしているということは傑作に違いありません。概要を読むだけでも傑作の香りが漂います。「本格原理主義者」の力作を前に、こちらも万全の準備をして構えておくに越したことはないでしょう。