第49回熊本県吹奏楽コンクール(大学・職場・一般の部)

私の母校は熊本大学なのでOBになってからもほとんど毎年コンクールを見に行っています。まあお目当ては大学というよりもむしろ一般の部な訳ですが。
Aパートのプログラムと結果は以下のとおり。

大学の部
1.熊本大学 I/ザ・レッド・マシーン(グレアム)・・・金代表
2.熊本電波工業専門学校 III/ラスト・ライド・オブ・ザ・ポニー・エクスプレス(シェーファー)・・・銅
3.熊本県立大学 II/組曲「リクディム」より1・2・4(ヴァン=デル=ロースト)・・・銀
4.八代高等専門学校 III/吹奏楽のための序曲(兼田敏)・・・金代表

一般の部
1.菊地市民吹奏楽団 IV/森の贈り物(酒井格)・・・銅
2.八代広域吹奏楽団 II/「ファースト・フライト」より1・2・3(シシー)・・・銀
3.熊本市吹奏楽団 II/交響詩「ローマの祭り」よりチルチェンセス・十月祭・主顕祭(レスピーギ/佐藤正人編)・・・金代表
4.熊本ウインドオーケストラ II/スピリチュアル・プラネット(鉾山亘)・・・金代表・最優秀
5.天草吹奏楽団 II/夜を守る友(キャンプハウス)・・・金代表
6.熊本シンフォニックウインズ II/交響詩「エグモント」(アッペルモント)・・・銀
7.碧落アンサンブル II/ドラゴンの年(スパーク)・・・金
8.ウインドミュージアムSO I/マスク(マクベス)・・・金代表
9.西合志音楽集団 III/オクトーバー(ウィテカー)・・・銅
10."U"ウインドオーケストラ III/「屋根の上のヴァイオリン弾き」メドレー(ボック/後藤洋編)・・・銅
11.Who's Wind Ensemble IV/勇気の飛行(スウェアリンジェン)・・・銅

大学の部は熊本大学が他との実力の違いを見せつけた感じ。課題曲はスペクタクルでかなりの完成度だと思いました。自由曲はグレアムの話題曲だが、まだまだ楽曲が未整理という印象。全体として金管がオーバーブロー気味でバランスを壊しているのが難点ですが、若々しい魅力があるともいえますね。熊本県立大学は、序盤のピッチの乱れがなかなか解消されず、サウンドが濁ったままでした。後半持ち直したけど惜しいですね。八代高専は意欲的な選曲や、少ない人数でも色々と工夫しているところに好感。堅実な演奏。
一般の部、熊本ウインドオーケストラは県大会の演奏としては例年にないほど完成度の高い演奏で、余裕の最優秀賞。初めて聴く曲ですが、宇宙的な広がりのある曲で、かつて「スター・ウォーズ」で全国に進出したくまうをに非常に合った選曲だと思いました。九州大会でも代表争いにからむ可能性があります。昨年の最優秀、ウインドミュージアムSOは、昨年と同様安定感のある確実性の高い演奏。40人にもかかわらずサウンドが立体的でした。しかし自由曲がいかんせん渋すぎる。古典的名曲ですが、変化に乏しく聞かせどころの難しい曲なので、聴衆が退屈しないような工夫が必要では。この2団体は聴いた直後に代表を確信。
80人編成の熊本市吹奏楽は、全体を通して大人数をまとめきれていない印象。難曲「ローマの祭り」に挑んだガッツは買いますが、もっと練習時間が必要だったと思います。天草吹奏楽は久しぶりの代表ですね。技術やアナリーゼという点では不満の残る演奏だったと思いますが、自由曲ではキャンプハウスらしいどっしりとした音楽が聴けました。
碧落ウインドアンサンブルは練習不足でしょうか。音色的にもサウンド的にも、昨年までの思い切りの良さがなくなっていました。「ドラゴンの年」は2楽章を前面に出した演奏でしたが、コラールの荘厳な美しさがなく、この曲の最大の利き所である第3楽章がばっさりとカットされ、テンポも遅かったのがとても不満でした。