天城一(日下三蔵編)『島崎警部のアリバイ事件簿』

大分時間はかかりましたが、ようやく読み終えました。普通これだけ時間がかかる読書は苦痛になることが多いのですが、天城一の場合は苦痛というよりも苦行なわけで(笑)、充実感があります。
昨年の『天城一の密室犯罪学教程』というとてもマニアックな本が『このミス』や『本ミス』にランクインしたおかげで、さらにマニアックなこの本を出すことが出来たのでしょう。往年のミステリ・ファンにとってはたまらない贈り物だといえるのではないでしょうか。
本書は『密室犯罪学教程』に入らなかった、島崎警部を探偵役とするシリーズの短編の残りをすべて収めた集成であり、二部で構成されています。第一部「ダイヤグラム犯罪編」はタイトルに列車の名前がついた短編を集めたもので、すべて時刻表トリックです。全部で9本ありますが、いずれも意外性のある凄いミステリで、鉄道ミステリファン垂涎の珠玉の作品群。
第二部「不可能犯罪編」は、残りの島崎シリーズを集めたもの。鉄道ものに比べたらそんなに凄みは感じなかったのですが、凝ったものが多いです。
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