二ノ宮知子『のだめカンタービレ』1〜12巻

のだめカンタービレ(12) (KC KISS)

のだめカンタービレ(12) (KC KISS)

あまりの面白さにちびちび読むのは止めて、最新刊まで全部買って一気読み。
千秋とのだめは一種の天才ですが、潜在的な才能ではのだめの方が凄そうですな。今のところパリ編で一気に恋人ムードが高まっているようですが、のだめである以上ロマンティックな恋愛物語にはならないんですね(パリなのに…)。
主人公2人も良いんですが、何と言っても脇役が凄くキャラが立っていて、これが面白い。峰君や真澄ちゃんは一見して変な音大生ですが、最初はまともに見えた清良さんや黒木君も、のだめワールドにかかるとみるみるうちに面白いキャラに化けていく。この脇役キャラの物語上での見事な描写がこの漫画を単なる音大ラブコメ以上の傑作にしているのだと思います。
パリ編、黒木君が復活したのは嬉しいです。ジャンは千秋のライバルになるのでしょうか。それにしてはずいぶんと和気藹々としてますが。千秋の指揮者としての成功はもう描いてしまったも同然なので、あとはのだめのコンセルヴァトアール激闘編ですね。なんだかテンポが良すぎて、「この先まだネタがあるのかな?」と心配してしまいます。
この漫画はもちろんピアノとオーケストラが中心ですが、千秋らが取り組む曲の中には吹奏楽編曲でも有名な曲がいくつかあるので、結構音をイメージして読んでしまいます。ラヴェルの「道化師の朝の踊り」、シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」、バルトークの「舞踏組曲」などはコンクールでもよく演奏されますね。