矢沢あい『NANA』

NANA―ナナ― 14 (りぼんマスコットコミックス)
NANA

ここ何ヶ月かはまって読んでいた漫画。言わずと知れたベストセラーですね。
きたろーの場合、少女マンガは絵から入ります。お目めがきらきらのいかにも乙女チックな少女マンガはまず拒絶反応が出るのですが、『NANA』はいいですね。すごく絵がうまい。書き込みが凄いんです。男は美青年と相場が決まってるんだけど、この話の場合はビジュアル系のバンドが中心なので違和感なし。ヤスかっこいい。
この漫画が凄いところは、一つ一つのエピソードの密度が濃くて、ひと時も目がなせないところかと思います。幸せを求めて少し暴走気味のハチの恋愛話が中心だった前半部分から、思いもしないところに物語が展開していく。ハチとノブが付き合いだしたときは「あー、これでひと段落かな」と思って油断したんですが、コミックス1巻もたたないうちにとんでもないことに! これはやられました。「作者、鬼!」と思いましたもん。ハチのほうが落ち着いたと思ったら、ナナのバンドエピソードがいよいよ本流に乗り出すし、面白さはむしろ加速しています。恐るべし。
実は第1巻から近刊まで、漫画時間で1,2年くらいしか経過していないはずなんですけど、この分量。圧倒的スピード感と重厚な人間ドラマ。少年漫画では描けない世界ですね。キャラクターの一人ひとりがきちんと描けてるからこそできる世界だと思います。
この漫画、映画になったあとは今度はアニメになるそうですけど、大丈夫なのかな? セックスシーンがやたら多くてしかも重要だし、シンなんてそのまま放送に乗せられるのだろうか?
今後の展開ですが、14巻の終わり方はなんだか嫌ですね。スキャンダル話で引っ張るのはあんまり好きではないので、ナナの持ち前のパワーでさくっと乗り切ることを期待します。