鯨統一郎『パラドックス学園』

パラドックス学園  開かれた密室 (カッパ・ノベルス)
パラドックス学園 開かれた密室

  • 著者:鯨統一郎
  • 出版:光文社カッパ・ノベルス 2006年1月

新学期、新入生のワンダ・ランドは「パラドックス学園パラレルワールド研究会」通称「パラパラ研」の部室の門をたたいた。「パラパラ研」の先輩は驚くべきメンバーだった。部長のポー、ドイル、ルブラン、クリスティと、すべて有名なミステリ作家たちだったのだ。そしてワンダとともに入部を希望した新入生は、J・D・カー、そしてマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイなのだった。伝説のミステリ作家たちと親しく会話することで興奮を隠せないワンダだが、どこかこの世界は変なのだった。彼らが同じ歳に学生として一緒にいるはずはないし、何よりこの世界にはミステリ小説が存在しないのだ。そのかわり、世にも奇妙な密室殺人や孤島の連続殺人が現実に頻発するのである。そして、おもむろに「パラパラ研」で密室殺人が発生した・・・。

「著者の言葉」に「本当に面白い本ほど、壁に叩きつけたくなります」とありますが、気合の入ったバカミスとして「本当に面白い」かどうかはともかく壁に叩きつけたくはなりませんでしたよ。期待通りの面白さでした。
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