第51回九州吹奏楽コンクール(高等学校の部)

昨日、福岡サンパレスで開かれました。終わってみれば波乱なし。福岡第一高校、福工大附属城東高校、松陽高校(鹿児島)の全国大会常連3校が実力を発揮し、代表の座を射止めました。
一昨日の土曜日には中学校の部も開かれ、こちらは美里中学校(沖縄)、吉野中学校(鹿児島)、国分中学校(鹿児島)の3団体が代表に。福岡勢の不振、沖縄勢の躍進、鹿児島勢の安定が印象的です。

第51回九州吹奏楽コンクール 高等学校の部
2006年8月20日 於:福岡サンパレス

  1. 福岡第一高校  (1)「管弦楽のための協奏曲」より終曲(ベラ・バルトーク/仲田守編)―――金・代表
  2. 福工大附属城東高校 (3)エルフゲンの叫び(ジェフリー・ローレンス)―――金・代表
  3. 城南高校  (2)組曲「ヴァレンシアの寡婦」より(アラム・ハチャトゥリアン/石津谷治法編)―――金
  4. 都城商業高校  (2)「交響曲第3番」より(ジェイムズ・バーンズ)―――銀
  5. 佐賀学園高校  (1)セレブレーション(フィリップ・スパーク)―――銀
  6. 大分豊府高校  (3)桜華幻想(福島弘和)―――銀
  7. 長崎東高校  (1)歌劇「トゥーランドット」より(ジャコモ・プッチーニ/木村吉宏編)―――銀
  8. 戸畑商業高校  (2)「交響曲第3番」より(ジェイムズ・バーンズ)―――金
  9. 那覇高校  (2)パガニーニの主題による狂詩曲(セルゲイ・ラフマニノフ森田一浩)―――銀
  10. 西陵高校  (2)歌劇「トゥーランドット」より(ジャコモ・プッチーニ/石津谷治法編)―――銀
  11. 玉名女子高校  (1)「交響曲第3番」より(ジェイムズ・バーンズ)―――銀
  12. 鹿屋中央高校  (1)組曲「第六の幸福をもたらす宿」より(マルコム・アーノルド/瀬尾宗利編)―――金
  13. 小倉高校  (1)歌劇「トゥーランドット」より(ジャコモ・プッチーニ/石津谷治法編)―――金
  14. 佐賀北高校  (3)マリアの七つの悲しみ(樽屋雅徳)―――銀
  15. 大牟田高校  (1)ダンス・ムーブメント(フィリップ・スパーク)―――金
  16. 創成館高校  (1)喜歌劇「天国と地獄」序曲(オッフェンバック/鈴木英史編)―――銀
  17. 神村学園高等部  (3)交響詩英雄の生涯」より(リヒャルト・シュトラウス/引坂浩史編)―――金
  18. 熊本工業高校  (1)鳳凰〜仁愛鳥譜(鈴木英史)―――銀
  19. 鎮西学院高校  (4)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ/磯崎敦博編)―――銀
  20. 八代白百合学園高校 (2)ハリソンの夢(ピーター・グレーアム)―――銀
  21. 宮崎学園高校  (4)交響詩「ローマの祭り」より(オットリーノ・レスピーギ森田一浩編)―――銀
  22. 松陽高校  (1)楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り(リヒャルト・シュトラウス/小澤俊朗編)―――金・代表
  23. 穂高校  (1)原石の未来(清水大輔)―――金
  24. コザ高校  (1)青い水平線(フランコ・チェザリーニ)―――金
  25. 大分中学・高校  (1)マリアの七つの悲しみ(樽屋雅徳)―――銀

都合で前半しか聴いていませんが、朝からレベルの高い演奏が続きました。以下前半の感想。
福岡第一高校は華やかな響きで聴衆を魅了。朝一のせいか全体としてつまらないミスが多かったのが残念ですが、見事なサウンドの前には瑕疵にすぎません。福工大城東高校は、安定感のある見事な演奏。県大会は小手先の表現という印象だったのが、九州大会ではさすがに細部にこだわった音楽性の高い演奏に。この2団体は聴いてすぐ分かる貫禄の代表。
城南高校は、いまどき珍しいリードミスが多くてちょっとはらはらしましたが、まとまりがあり勢いのある演奏で、復活の金賞。都城商業高校は音色やサウンドに練習の余地あり。佐賀学園は、指揮者のダイナミックな表現要求に応える熱演。荒々しいながらも魅力的な演奏に、聴衆受けもよかったです。大分豊府高校は、残念ながら少なくとも前半の部では最もレベルの低い演奏。音がステージでこもっていました。長崎東高校は音楽表現豊かな演奏で、特に「トゥーランドット」は劇的な音楽作りが印象的。
戸畑商業高校は,県大会と同様安定したホルンの響きを核として、かつ木管を主体にした流麗なサウンドが心地よい。那覇高校は、テンポやサウンドに安定感がなく、技術的にも他団体と比べてやや見劣りがしました。西陵高校はあまり印象に残っていません。ごめんなさい。玉名女子高校は各奏者の音色の安定感が抜群で、大迫力のサウンドがホールいっぱいに響き渡りました。ただ例年と同様全体として「重く」、音楽的推進力に欠けたのが残念。鹿屋中央高校は、奇も衒いもない誠実な演奏。奏者一人一人がこの曲を演奏することに喜びを感じていることが分かる演奏で、聴いていて嬉しくなりました。去年からこの団体のファンです。今年金賞だったのが我がことのように嬉しかったりして。