昨日の報道ステーション

 なんとなくテレビをつけていたら、「報道ステーション」で福島瑞穂社民党党首が出演していました。ちなみに、私個人的に「報道ステーション」は、そのワイドショー的扇情的スクープ優先的浅薄的姿勢が嫌いなんですが、時間帯のせいなのかテレビをつけるとこの番組になってしまうことが多いです。それはともかく福島氏ですが、護憲の立場を滔々と論じる姿勢には好感を持ったし、格差社会の問題や年金問題に対するスタンスなどにも頷くところが多かったにもかかわらず、最後のほうの発言に違和感を持ちまくりました。
 司会の古館が(うろ覚え)社民党の主張は改憲問題や福祉問題や年金問題格差社会問題やらワーキングプアやらが複雑に絡み合っているという理解の下で、どの問題にも同じくらいのウエイトを置いていて、最も有権者に訴えたい問題は何かということがどうも分かりにくい。ついては何か一つ取り上げるとしたら何ですか、といった質問をしました。
 そこで福島氏は「じゃあワーキングプア」と少し笑いながら答えたのです。
 もうね、がっかりですよ。そりゃワーキングプアの問題は重要ですよ。でも、「じゃあ」とか言って軽いノリで選択されるような、そんな姿勢でいいのかと。改憲イラク派遣も格差もワーキングプアも都市と地方の問題も、すべて自民党新自由主義新保守主義政策がもたらした、有機的連関を持った問題だと、これは説明十分とはいえないが分からんでもない。だから社民党は護憲と格差是正をスローガンにしているわけで、それで何で「じゃあワーキングプア」なのかと。軽い。あまりに軽すぎる。
 そもそも現代社会の問題は複合的で、何か一つの問題だけに対処しても意味がなく、複雑な問題は複雑なものとしてしか説明できないと思います。複雑な問題を単純に言えという古館の質問姿勢自体にも疑問なわけです。この軽いノリに対して福島氏も軽いノリで答えたように見受けられたわけですが、それは政治に対する逃げだと思います。多数派を占める「右」に対して「左」がこのざまでは、日本の将来も暗いなと思いました。