昭和ウインド・シンフォニー「シューティング・スター」
- 指揮:ユージン・コーポロン、福本信太郎
- 演奏:昭和ウインド・シンフォニー
- ピアノ:石綿絵美
- 出版:CAFUA
吹奏楽のための変奏曲(レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ) ルクス・エテルナ(後藤洋) ピアノ協奏曲〜打楽器アンサンブルと吹奏楽のための(デイヴィッド・ギリングハム) ダンス・フュナンビュレスク 作品12(ジュール・ストレンズ) おお、大いなる神秘(モートン・ラゥリッドソン/レイノルズ編) 交響曲第2番(フランク・ティケリ) エクサルターテ(サミュエル・ヘイゾ)
コーポロン&昭和ウインドシンフォニー4枚目のアルバム。演奏会のライブ演奏ですが、相変わらずの、いや昨年に増して質の高い演奏が素晴らしい。ライブならではの勢いとか、気分の高揚のようなものも感じられます。バンドもコーポロン・サウンドにすっかり染まっており、今後ますます目の離せないコンビだといえましょう。
とりわけ素晴らしいのが前半のメイン、ギリングハムのピアノ・コンチェルト。現代的だが古典テク風味も感じさせる玄妙な主題といい、荘厳な響きからドラマティックな展開につながるラストといい、ギリングハムの最高傑作のひとつではないかと思います。曲想的には「目覚める天使たち」と「黙示録による幻想」の間あたりに位置するような感じです。
ベルギー・ギィデ門外不出のナンバーという触れ込みのストレンズ「ダンス・フュナンビュレスク」は、メロディー部分の吹き切り感が気持ちいい。サウンドはいかにもヨーロピアンで面白いし目を見張るギミックも満載で、最後のしつこいリズムの繰り返しさえなければ演奏会やコンクールで大流行するのにな。
ラゥリッドソン「おお、大いなる神秘」(アンコールや大曲間の息抜きにぴったりな名曲!)は最近よく聴く曲ですが、これまで聴いた中では一番気持ちがこもった感動的演奏。素晴らしい。
今回のメインはティケリの「交響曲第2番」。ティケリといえば「ブルーシェイズ」のようなモダンな曲をイメージしていたのですが、意外と真面目に交響曲している。あまり印象に残るメロディーがないのが残念だが、最後まで聴き手を離さない構成力はさすがコーポロンだ。
昨年の「ストコフスキーの鐘」に比べると曲的にはマニア以外にアピールするものがないように思ったが、演奏の質は昨年よりも上がっている。来年も楽しみです。