歌野晶午『生存者、一名』

生存者、一名 (祥伝社文庫)

生存者、一名 (祥伝社文庫)

さしあたり購入済みの新刊を読んでしまって手持ち無沙汰だったので、本棚にある積読の文庫からさくっと読めそうなものを読んでみました。

終末思想を前面に出す新興宗教が、東京で爆弾テロを行った。テロの実行犯である4名の信者は2人の幹部に連れられて、国外に脱出するための中継という名目で鹿児島の南沖合いの「屍島」という孤島に上陸した。しかし幹部の一人は船を持って島を離れ、取り残されたもう一人の幹部は、教団がテロ実行犯をスケープゴートとして切り捨てた事を告げた。食料はある程度残されていたが、船一隻通りかからない絶海の孤島で、彼ら5人は文字通り彼らの神から見放され、絶望する。そんな中で一人が死体で発見される。残された者たちの生き残りを賭けたサバイバルが始まった・・・。

400円文庫って、一見安そうに見えるのですが、中編で文字が大きくて書き下ろしなので、いまひとつ軽い出来の作品が多かったような気がします。でも歌野晶午の『館という名の楽園で』は凄く面白かったので、こちらにも期待してみたのですが・・・。いまいちかも。
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