東京佼成W.O.「アルフレッド・リードの世界」

アルフレッド・リードの世界

アルフレッド・リードの世界

《収録曲》
1.ヴィヴァ・ムシカ!
2.吹奏楽のための第3組曲(バレエの情景)
3.春の猟犬
4.エル・カミーノ・レアル
5.クイーンストン序曲
6.ゴールデン・ジュビリー
7.エルサレム賛歌

リード追悼レヴュー第2弾。といっても本当に適当に気に入ったのを選んで買っているだけですが。
今回の東京佼成。最近は大阪市音楽団も精力的に録音を行ってますが、このころは本当に佼成の録音しかなかったんですよ。もしくは輸入版のイーストマンとか。
「ヴィヴァ・ムシカ!」はオープニングにぴったりのはつらつとした曲。さりげなく難しそうな木管裏方がリードらしいです。この演奏だけ故フェネル御大が指揮。
「第3組曲」はめったに演奏されないので初めて聴きましたが、ちょっと地味な曲ですね。「パ・ドゥ・ドゥ」はきれいだし「風変わりなポルカ」の変拍子入りポルカも面白いけど、何か軽いような。「全員の踊り」の終わり方はカッコいいです。
おなじみの名曲「春の猟犬」、この演奏はコンクールでよく演奏されるはつらつとした感じではなく、テンポをやや緩やかに、たゆたう様な春の風を表現したのでしょうか。落ち着いたいい演奏です。この曲にはこういう魅力もあるのですね。
次もおなじみの「エル・カミーノ・レアル」。こちらはさっきとは逆に火の出るような激しい速いテンポで演奏。圧倒されます。中間部まで駆け足になっているのが個人的には残念。
「クイーンストン序曲」はゆったりとした短調から入り、速くなるところからだんだんと明るくなっていく展開。演奏はややお手本的か。「ゴールデン・ジュビリー」はあんまりメリハリがつけられていないので魅力に乏しい演奏。流麗ではあるんですが。
エルサレム賛歌」は私が大好きな曲なんですが、導入のTpの縦の線が微妙な以外は素晴らしい滑り出し。やはりプロのホルンは張りがあって素晴らしいです。ホルンが映えるとこの曲は最初から最後まで光り輝いて見えますね! 終盤バックでうねうね動く木管はそろっておらず、リードらしいうねりが余り感じられない。この点はコンクールバンドのほうが上手。しかし金管の圧倒的な音の伸びはさすが。変奏ごとの場面展開も明快だし、良い演奏だと思います。