歌野晶午『正月十一日、鏡殺し』
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 文庫
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今回はもう一冊。歌野晶午中期の傑作短編集を一気読み。話が進むにつれてだんだん怖さ(というか悲惨さ)が増してくるのが歌野らしくて良い。ミステリとホラーが上手く融合していて、とても面白かったですよ。
「盗聴」・・・盗聴癖のある受験生の話。「カチカチドリ」って何だ?
「逃亡者 大河内清秀」・・・名前を変えてバンコクで逃亡生活を送る男が綴る物語。
「猫部屋の亡者」・・・日夜恋人の亡霊に悩まされる男の話。ちと怖い。
「記憶の囚人」・・・主婦の一人称? 表現が毛色が違って面白い。
「美神崩壊」・・・だんだん洒落じゃなくなってきた。最期は悲惨。
「プラットホームのカオス」・・・これは上手い。本格ミステリとしての本書のベスト。
「正月十一日、鏡殺し」・・・人の悪い作家、歌野晶午の真骨頂。ひどすぎる。