太田忠司『予告探偵 西郷家の謎』

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

戦争の傷がまだ癒えない1950年、名家西郷家のもとに一通の手紙が届けられた。「12月4日12時、罪ある者は心せよ。すべての事件の謎は我が解く。摩神尊」――まさにその日、西郷家当主の瑛二の娘の婚約者が決定されることになっていた。ユーカリの森の中に屹立する大邸宅、そこに住む怪しげな住人たち、敵愾心むき出しで対立しあう求婚者たち、そして邸宅の中に保管され、人目に触れない名画・彫刻の数々・・・。そこへついに、摩神と名乗る探偵とその助手がやってきた。いったいどのような事件が起こるのか。

キャラクターが滑っている、というのが第一印象。悪い予感はそのときからしていたのですが、ゴシック本格な意匠とは裏腹に、人物もトリックもプロットもチープすぎて涙が出ます。私にここまで言わせるミステリは久しぶりです。
関係ないけど、「すべての事件の謎はが解く」って、最初に帯に書かれているのを見たときに真っ先に黄金色のサーヴァントを思い浮かべた私は少し病んでますか?
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