第6回本格ミステリ大賞候補作
しばらくネットから離れているうちに、こんなニュースを見逃しておりました。だいぶん古い情報ですが、コピペさせていただきます。(コピペ元:政宗九さん(id:mmmichy))
【小説部門】
『ゴーレムの檻』柄刀一(光文社)
『扉は閉ざされたまま』石持浅海(祥伝社)
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介(新潮社)
『摩天楼の怪人』島田荘司(東京創元社)
『容疑者Xの献身』東野圭吾(文藝春秋)【評論・研究部門】
『探偵小説と二〇世紀精神』笠井潔(東京創元社)
『ニッポン硬貨の謎』北村薫(東京創元社)
『ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学』加藤幹郎(みすず書房)
『ミステリー映画を観よう』山口雅也(講談社)
一昨年の乙一『GOTH』、昨年の横山秀夫『臨場』がそうであったように、本格ミステリ大賞の候補作に、基本的には本格プロパーではない(あるいはもっと注目されてもよい)作品が含まれる方針のようですね。未読の良作を読む機会になるので個人的には歓迎です。(二階堂氏などは怒るでしょうが)。今年の場合は道尾秀介『向日葵の咲かない夏』がそれにあたります。確か『背の眼』という横溝風の作品でデビューした新人だったはず。候補作になるということは、よほどの出来なのでしょう。買ってみます。
しかし全体としてみれば東野圭吾『容疑者Xの献身』の優位は動かないと思います。一部で論争はありますが、それだけにこの作品を本格だと評価する投票者は、よほどのことがない限り東野氏に投票するのではないでしょうか。仮に『容疑者X』が大賞を取った場合、主要ベスト10および直木賞に続いて5冠ということになりますね。
きたろー的には柄刀一『ゴーレムの檻』の伸びに期待します。コアな本格ファンであればあるほど、この短編集に対する驚きは大きくなるはず。間違いなく昨年最高の短編集。『容疑者X』の対抗馬になってほしいです。