道尾秀介&有栖川有栖(古本)

ブラジル蝶の謎 (講談社文庫)
ブラジル蝶の謎

収録作品

  • ブラジル蝶の謎
  • 妄想日記
  • 彼か彼女か
  • 人喰いの滝
  • 蝶々がはばたく

向日葵の咲かない夏
向日葵の咲かない夏

夏休みに入る前日の終業式の日、僕は、学校を休んでいたS君のところに、先生から預かった宿題などを持っていき、そこでS君の死体を発見した。S君は首をつって死んでいた。驚いて先生のところに知らせたが、先生と警察がS君の家に着いたとき、そこにあったはずの死体は消えうせていた。ただ、床や欄干に首を吊った痕跡は残されていて、行方不明事件として捜査されることになった。その夜、S君はあるモノに生まれ変わって僕の前に姿を現した。僕は、殺されたんだ、僕の体を見つけてほしい――そう訴えるS君の言葉に戸惑いながらも、僕と妹のミカはS君の体を見つけ出すために調査に乗り出した・・・。

今回は二本立て。『ブラジル蝶の謎』は有栖川有栖の国名シリーズ第3弾。短編集ですが、これは結構面白い作品が多かったです。
そして、第6回本格ミステリ大賞の候補作として注目を集めている道尾秀介『向日葵の咲かない夏』。一気読みでした。事件の解決編自体が何重ものどんでん返しが用意されている上に、さらに驚きの真相が・・・。面白かったです。よくネットの感想ではホラーとしていいという評判を聞きますが、あんまり怖くなかったです。やっぱり本格ミステリとして面白いと思うんだけど、どうでしょう。
ただ、話の内容の随所でミステリの先行作品の存在が透けて見えるところがマイナス。
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