ノーステキサス・ウインド・シンフォニー「passions」

passions
パッションズ Passions

  1. 子供のためのマーチ「丘を越えて彼方へ」 (パーシー・グレインジャー)
  2. オクトーバー (エリック・ウィテカー)
  3. ジーグ風フーガBWV577 (ヨハン・セバスティアン・バッハ/グスタフ・ホルスト編)
  4. 吹奏楽のための第2組曲作品28 (グスタフ・ホルスト
  5. 三つのジャポニスム (真島俊夫
  6. スケルツォ「イタリア王冠のためのファンファーレ」(ジョアッキーノ・ロッシーニシェーファー編)
  7. エクサルターテ (サミュエル・ヘイゾ)
  8. コロニアル・ソング (パーシー・グレインジャー)
  9. リコイル (ジョセフ・シュワントナー)
  • 指揮:ユージン・コーポロン
  • 演奏:ノース・テキサス・ウインドシンフォニー
  • 出版:Klavier

シュワントナーの最新作「リコイル」が収録された注目のCD。今はシュワントナー作品集としてまとめられているようだが、このCDは他の録音も聴き逃せない。
ノーステキサスは古典作品も意欲的に録音しているが、その中でもグレインジャーには特に力を入れているようだ。本CDにも「丘を越えて彼方へ」と「コロニアル・ソング」が収録されていて、前者は、日本人にも何か郷愁を誘わせる素朴な耳に残るメロディーが楽器を変えてさまざまに変奏される。後者は温かみのある音楽が素晴らしい。
「コロニアル・ソング」もそうなのだが、コーポロンはゆったりした音楽を聴かせるのが非常に上手い。「オクトーバー」もまた、コーポロンによってその魅力を最大限に引き出されたスローミュージック。「三つのジャポニズム」の「雪の川」なんかも、他の2曲が今ひとつ日本的風景を描くのに失敗している中で、美しく聴かせることに成功している。
ホルストの作品、1曲はバッハの編曲だが、ホルストらしい細やかで大胆なアンサンブルが面白い。第2組曲は言わずと知れた名曲。早い部分はシャープさが足りないような感じだが、やはりゆっくりとした「無言の歌」が良い。
コーポロンが得意としているアンコール・ナンバー、ヘイゾの「エクサルターテ」は、その疾走感といい、ゴージャスなサウンドといい、完全に自家篭中のものとしている様子。
そして注目のシュワントナー「リコイル」。シュワントナー作品の中では、これが初めてのウインド・バンド編成の曲となる(他の曲は編成がかなり変則的)。それだけに最初から最後まで派手な感じ。しかし相変わらずのシュワントナー・サウンドで、神秘的な雰囲気を形作っています。途中で入るコーラスもいい感じ。