倉知淳『ほうかご探偵隊』
ほうかご探偵隊僕たちの5年3組で立て続けに事件が起こった。棟方くんが授業で描いた絵が盗まれ、神宮寺くんの作った猫の募金箱（空）が盗まれ、成見沢さんが飼育していたニワトリが行方不明になり、そして今日、僕のソプラノリコーダーの真ん中の部分だけがなくなっていたのだ。どれもクラスの多くや本人にしてみればどうでもいいものばかり。この「不要物盗難事件」を学校が追究することはなさそうだった。そこで僕と友人の龍之介くんは、放課後に事件の調査をはじめることにした。調べてびっくり、ニワトリは鍵のかかった頑丈な檻の中から消えていた。成見沢さんは絶対に鍵はかけたというし、その後に職員室に保管された鍵を入手できた生徒は誰もいない。これはミステリーによくある「密室」というものじゃないか？ 僕たちの調査は難関にぶつかった…。
『2006本格ミステリ・ベスト10』の読者ランキングで評判が良かったので、気になっていました。
ほのぼのしていて、殺伐になりそうでならない、いつもの倉知テイストを存分に楽しめました。この人は素でジュブナイルに合ってますね。トリックやプロットも上質でした。
