星座占い

学生時代に比べると随分と規則的な生活をするようになったのですが、朝起きてとりあえずテレビをつけて「めざましテレビ」を見ながら出勤の準備をして、「今日の占いカウントダウン・ハイパー」を一通り見てから「あー、今日の運勢は微妙だな」などと思いながら家を出るわけです。
しかし、個別に見てもらう占いならばともかく*1、全国放送で人類を12の類型に分けて一律に運勢を決めることなど、とてもではないが不可能だと断言できます。
では、テレビの星座占いの存在価値とは何なのか?
それは「アナウンス効果」、これに尽きると思います。
例えば占いを見て、乙女座の私が「今日の運勢はバッド。人間関係でトラブルが発生しそう。不用意な発言には気をつけて☆」などといった占い結果を見て、それが当たるか当たらないかに関わらず、「ああ、トラブルが起こるのは嫌だから、今日は不用意な発言をしないようにしよう」という意識を植え付けられます。言うまでもなく、おしゃべりが元で人間観系にトラブルが起こることを避けたほうが気持ちよく生活できるに決まっているから、ほぼ大多数の人間に対してこのアドヴァイスは有効です。
このとき、当たり障りのない星座占いの結果によって、見た人に「アナウンス効果」が働くということになります。星座占いを本気で信じることができない以上、その存在意義はこれによって日々の生き方の指針を得る以外にないでしょう。
ということは、「今日の運勢No.1」だった場合、それ以上のポジティヴなアナウンス効果が期待できないという意味で、ほとんど実質的な価値がないといえるかもしれません。いや、それはそれで占いの結果を見て気分良く過ごせるという意義はあるかもしれませんが、アナウンス効果は皆無でしょう。何も注意されることがないとき、われわれは生活上の向上心を失います。
ということは、星座占いの結果が低ければ低いほど、その日をよりよく生きるための実質的効果が得られるので、お得だということになります。
世の中何でもポジティヴに考えようとすればできるもんだ。

*1:個別の占いでも当たらないとは思いますが、占ってもらった本人にとっての意識は、テレビよりもはるかに高いはずです。