新刊を2冊

月館の殺人 (下)??
月館の殺人(下)

佐々木倫子綾辻行人の夢のコラボレーション、遂に完結。
面白かったです。なんというか、佐々木さんのあのふわふわ・ほのぼのした画風と、世俗をある意味超越したテツたちの雰囲気がマッチして、適度な緊張感とともにおかしみを生み出しているところが良いです。
ミステリ的な仕掛けでは、上巻にもあれだけたくさんの伏線が張ってあったのかとびっくり。ぜんぜん読めませんでしたよ。
でもちょっと物足りない部分も。小説では使えないけれども、漫画ならばさりげなく伏線を張ることができるところがミステリ漫画の最大の利点ですから、個人的にはもっといろいろなアイデアを詰め込んで欲しかったです。
あと、「『そして誰もいなくなった』ですか・・・」という台詞に、「それ嵐の山荘じゃないから!」というつっこみを期待したのは私だけではないはず。

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13) (角川コミックス・エース (KCA80-16))
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 第13巻

出版ペース速すぎ。
それはともかく「ルウム編」、今回はハッチ会戦(ブリティッシュ作戦)とルウム開戦まで。
毒ガスで虐殺されるハッチ市民を、兵士ではなく普通の市民と恋人から描いたところが秀逸。悲しすぎる。普通にジオンに怒りがこみ上げてきますが、そのあとに苦悩するドズルを出して、「一人のミネバですらこんなにかわいいのに、俺は何百万人のミネバを殺した!」(台詞うろ覚え)と絶叫させることでバランスを保っています。上手い、上手すぎる。ルウム戦役に参加しなかったランバ・ラルのことも考えさせられる。いかにもラルらしい決断に高感度アップ。
ルウム編が終わったら話が戻って宇宙編になるんでしょうか。ザクレロ出てこないかなあザクレロ。あ、その前にオデッサ作戦がありましたっけ。