三津田信三『厭魅の如き憑くもの』

厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)
厭魅の如き憑くもの

憑物筋の黒の家と白の家が勢力を二分し争っている神々櫛村。そこでは、「カカシ様」と呼ばれる山の神が信仰されており、村のいたるところに「カカシ様」が祀られているのだった。村では神隠しや奇妙な事件が多発しており、それらは獣の霊か、そうでなければ「カカシ様」が憑いたものとされ、憑物筋の家である谺呀治家の巫女が祓うことになっていた。怪奇幻想作家の刀城言耶は、そんな神々櫛村に強烈な興味を覚え、憑物筋の説話を収集するために村を訪れた。しかし彼が村に逗留した翌朝、谺呀治家で殺人事件が発生する。縊死した山伏は、奇妙なことに蓑笠をかぶせられ、「カカシ様」の格好をさせられて死んでいた・・・。

遅ればせながら読了。
これは面白い。いや、面白かったのはホラー部分と、最後の真相解明の部分なんですが、それだけで今年度読んだミステリの中ではかなり上位に入ります。
背景説明と薀蓄がやたらと長いのがきついですが、そのあたりの瑕も許せる凝った構成が素晴らしい。
これ、シリーズ化するんですね。今度は講談社ノベルスで登場ということで、早くも期待大です。
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