2007年度吹奏楽コンクール課題曲

 今年のコンクールも実はもう始まっているわけですが、きたろーは課題曲を「なにわ」のCDで初めて聴きました。
 で、遅ればせながらその感想。
 課題曲I:ピッコロマーチ タイトルに現れているような軽やかさを出すにはとても難しい曲だと思いました。特に前半の第一主題。第二主題は親しみやすいメロディーで、コーダに至る展開も心地よく、このあたりは演奏しやすいかも。最後に盛り上がったところで突然ピアノで終わるあたりも小粋で面白いが、流れをつかむのに苦労しそう。
 課題曲II:光と風の通り道 冒頭はどこかで聴いたような出だし。第一主題のアーティキュレーションをつかむのは難しそう。特にタタタターンターンというリズムで付点四分音符を強調しすぎると間延びしてしまう。オブリガードのトロンボーンも同様。後半部分はメロディーとリズム、そしてピッコロとトロンボーンの2種類のオブリガードを整理するのに一苦労するのではないかと思います。
 課題曲III:憧れの街 音楽の流れがスムーズで、複雑に入り組んだ部分がなく、メロディーも親しみやすい。第二主題から展開・コーダに至る流れも、奏者が何を気をつければいいかといったポイントを見つけやすく、演奏しやすい楽曲だと思います。唯一の難点は第二主題の後のチューバ・ソロ。ここでリズムを崩さないかどうかが心配。
 課題曲IV:マーチ「ブルースカイ」 これも音楽の流れがスムーズな、演奏しやすい曲だと思う。メロディーとしては5つの中で一番好きです。実際に演奏する立場になれば違うのかもしれませんが、聴いた感じでは最も合奏をまとめやすい曲なのではないでしょうか。逆に言えば、他団体との違いが出しにくく、トップバンドにとっては諸刃の剣になるかもしれません。
 課題曲V:ナジム・アラビー 大職一般のみの課題曲Vとしては、これまでになく現代曲の色彩のない楽曲。曲想は「日本人、または西洋人が考えるアラビア」であり、実際のアラブ音楽ではないことに注意が必要だと思います。「アラビアのロレンス」とか「エクソダス」のような、イスラム圏をテーマにした西洋映画の雰囲気だと思いました。テュッティサウンドは響かせやすいのではないかと思うので、後はどれだけ「オリエンタリズム」の世界を表現できるか、にかかっているのではないでしょうか。


なにわ《オーケストラル》ウインズ2007

  • 憧れの街(南俊明)
  • ピッコロマーチ(田嶋勉)
  • マーチ「ブルースカイ」(高木登古)
  • コンサートマーチ「光と風の通り道」(栗栖健一)
  • ナジム・アラビー(松尾善雄)