鮎川哲也『黒いトランク』

黒いトランク 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)
黒いトランク (創元推理文庫)
黒いトランク

1949年12月10日、東京は汐留駅(新橋駅)に保管されていた荷物から異臭が漂い、不審に思った駅員が警察を呼んでトランクをあけると、中から男の腐乱死体が現れた。捜査員は死体入りトランクを発送した近松なる男を容疑者とみなして、近松の住む福岡で捜査を開始するが、近松はトランクを発送した日から行方をくらましていた。やがて瀬戸内海に近松の墜死体があがると、警察は犯行を完遂した近松が自殺したものと見て捜査を打ち切ったのである。しかし近松の妻由美子は自殺前の夫の行動に不審なものを感じ、真犯人は別にいると考え、学友の鬼貫警部に相談を持ちかけた・・・。

はまぞう光文社文庫版の画像がない。なぜだ。創元推理文庫版はあるので、そちらと併記しておきます。光文社文庫版は、初出の講談社版を底本としたもので、年号が「千九百四十九年」と書いてあったりとか、ノスタルジックでマニア向けです。創元推理文庫版は著者校正の加わった最新版とのことです。
ああ、それにしても遂に読み終えてしまった。名作の誉れ高い本作を十分に楽しむために、じっくりと時間をかけて読んだのですが、やはり凄い傑作ですね。一度読んでも意味の分からなかった(私のような)方は、芦辺拓による「鑑賞」を読んで、それからもう一回読んでみることをお勧めします。細かいところまで実に周到な作品だということが分かりますし、アリバイだけでなく物語としても面白く読めました。
詳しくは感想にて。
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