折原一『天井裏の散歩者』

天井裏の散歩者―幸福荘殺人日記 (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)
天井裏の散歩者――幸福荘殺人日記

  • 著者:折原一
  • 出版:角川文庫 1993年

推理作家志望の「私」は、大望を抱いてこの「幸福荘」にやって来た。この「幸福荘」には、日本推理小説界の重鎮、小宮山泰三が住んでいて、彼を慕う大勢の作家の卵たちが居住しているという。そこから巣立ってプロとしてデビューできたものも少なくなく、漫画界で言うところのトキワ荘のような伝説のアパートとして知られているのだった。さて、「私」が2Kの部屋に入ると、何もない部屋に小宮山先生から与えられたワープロが一台置かれていた。ワープロにはフロッピーディスクが入ったままになっていて、気になった私は中のデータを取り出してみた。――それは連作形式の小説で、タイトルは「幸福荘殺人日記」。「文書1」から「文書6」まで6つのファイルに記された驚くべき幸福荘の過去に、「僕」は戦慄した。

いままで折原一は合わないと思って避けていましたが、これは結構面白かったです。続編も出ているみたいなので、読んでみるかな・・・。
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