都筑道夫『まだ死んでいる』

まだ死んでいる (光文社文庫)
まだ死んでいる

空き室になっていたメゾン多摩由良509号室で、死体が見つかった。あわてて警備員が駆けつけると、その間に死体は消えていた。しかし今度は地下の駐車場で死体の目撃情報が入るが、今度も死体は消えた。コーコをはじめとする今谷少年探偵団の面々は、この「まだ死んでいる」事件を検討するが、そうこうしているうちに第三の(?)死体が・・・。果たして死体はなぜ消えたのか? 消えた死体の正体は?

都筑道夫による軽ミステリ、滝沢紅子(通称コーコ)を主人公としたシリーズの第二長編。シリーズ作品としては他にも『全戸冷暖房バス死体つき (集英社文庫 89-F)』『髑髏島(どくろじま)殺人事件 (光文社文庫)』もすでに感想をアップしています。
軽いタッチの本格ミステリで、緻密で重厚な作品を期待する向きにはかなり不満かもしれません。ただ、『まだ死んでいる』はロジック本格としてもなかなか読ませるし、ディスカッションを展開する「今谷探偵団」の面々のキャラクターも定着してきて、今まで読んだシリーズの中ではお勧め。
>感想ページ