西澤保彦『人格転移の殺人』

人格転移の殺人 (講談社文庫)人格転移の殺人 (講談社ノベルス)
人格転移の殺人

アメリカのとあるショッピングモールにひっそりとたたずむ商売気の薄いファストフード店に入った苫江利夫は、突然の大地震に見舞われ、店にいた6人の男女とともに、なぜか店の中に設置されたシェルターと称する施設の中に逃げ込む。うち一人の日本人女性が逃げ遅れて瓦礫の下敷きになってしまったが、残り6人は九死に一生を得た。しかしその施設はシェルターなどではなく、そこに入った人間の間で人格の入れ替わりが発生してしまう謎の装置だった。国家機密に触れた6人は世間と隔絶された閉鎖空間に閉じ込められることになったが、人格が次々と入れ替わる中で連続殺人事件が発生する・・・!

これまた傑作。なんといっても、単純だけど心に残る最後の落ちが良いです。
ただ、設定が少しややこしくて読んでいて混乱してしまう部分もあり、個人的には『七回死んだ男』に軍配を上げます。
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